- Admin *
- Title list *
- RSS
トライアスロン競技規則を読み解く(6)スイム
トライアスロンの競技規則を読み解くシリーズ、第6章は、スイムに関する規則です。
青字が競技規則、赤字が2006年→2017年の修正点、緑が2018年改正案、黒字が私の自由記述(正しいとは限らない)
第6章 スイム(水泳)
(スイムコース)
第51条 スイムは、海、湖沼、河川又はプールなどに設定されたコースで実施する。
2 スイムの距離は泳ぐ距離を基準とし、スタート、周回コースにおいて一旦陸上に上がる部分及びスイムフィニッシュ(スイムの終了地点をいう。以下同じ。)前後の走る距離を含まない。
陸に上がっているところは距離に含まれないのね。あくまでも泳ぐ距離がスイムの距離。
3 スイムで計測される競技時間は、スタートからスイムフィニッシュのラインまでに要した時間とする。
でも時間は上陸部分を含みます。
(スイムの競技方法)
第52条 スイムは、状況に応じた最良の泳法により競技することができる。
クロールじゃなくてはいけない、ってことはありません(^^)
でも、平泳ぎやバタフライは大勢の方が泳ぐ環境には適さないですよね~。平泳ぎは蹴るし、バタフライは殴るし・・・。
ブイを回る時に背泳ぎを入れるテクニックを西内プロに見せてもらったことがあります(^^)
2 プールでのスイムは、状況により水底に足を付けてもよい。ただし、歩き、又は水底を蹴りながら推進してはならない。
おお、そうなんだ。これは知りませんでした。プールでの大会をデビュー戦に選ぶ方も多いと思うので、これはデビュー前に知っておきたいですね。プールを使う大会では特記事項として書いてあるんじゃないかな?
(小休止)
第53条 危険回避や体調保全のため、競技を一時停止してブイ、コースロープ、フロート類及び停止中のボートにつかまるなどの方法により小休止をとることができる。ただし、これらを利用して推進することを禁止する。
コースロープにつかまってもいいけど、コースロープを引っ張って進むのはルール違反です。
怖ければ捕まって、止まる。泳ぎ始める時は、離す。
たまにプールでもいるなあ、コースロープをストロークの度に掴んで引っ張ってる人(^^;
(緊急時の心得と合図)
第54条 スイムでは、緊急時に備えて余力を残して競技し、自ら安全を保てるよう心がけなければならない。
余力を残す!絶対にギリギリまで頑張らないこと!
そのためには、練習でちょっと追い込んでみて、この状態なら立たなくても泳ぎながら落ち着ける、ってのを経験しておくといいですね。
2 救助を求めるときは、図のように、競技を停止し、片手を頭の上で振り、声を出して救助を求める。
3 一度救助された選手は、原則として競技を再開することはできない。
手を振るのは必ずしも良いとは限らないらしいですけどね。浮いて手を振るって、やってみると分かるんですがかなり大変です。水中で立ち泳ぎしてないと沈むんです。
「背浮きして片手を空に向けて立てておく(無理に動く必要はない)」がいいと聞きました。
(禁止行為)
第55条 スイムでは、次に掲げる行為を禁止する。
(1)不正スタート(フォールス・スタート)
「フォールス・スタート」は水泳用語のようです。いわゆる「フライング」のこと。
(2)スタートエリア外からのスタート
(3)ブイ又はコースロープなどによって示されたコースの内側をショートカットして泳ぐこと。
(4)コースロープなどでコースが区切られている場合は、このコース外を泳ぐこと。
コースを外れる、ショートカットすることは禁止です。戻ってそこからやり直しになるのか、ペナルティ対応かな?(罰則のとこで確認します)
(5)危険行為(肘打ち、蹴る、のしかかるなど)
のしかかる、はバトルではどうしてもありますよね~~~。やろうとしてやってるわけじゃなく、埋められそうになったところから這い出るための行為として。
これで一気に心拍が上がってしまうので、前列からスタートしてスタートでちょっと上げて抜け出すのが得策です。もちろん、それに相応する泳力を着けて、が前提。
(着用義務用品)
第56条 スイムでは、支給されたスイムキャップ及び指定用品を着用しなければならない。
2 スイムキャップを2枚使用しようとするときは、内側のスイムキャプはブランド名のないものでなければならず、選手がラインナップ手順を開始した瞬間以降、公式キャップは外側に身に付けなければならない。(内容変更)
ブランド名なしのスイムキャップ探すの難しそうだな(^^; 大会名とかならいいんだろうか?
私は2枚重ねたことはないんですけど、水温が低い大会とか、ゴーグル外れ防止策として1枚目と2枚目の間にゴーグルする方もいるようですね。
はて?なぜブランド名のないものでなければいけないのだろう?見えないのに?
(以下3-9項追加)
3 スイムキャップへのスポンサーロゴは、ITU/大会実行委員会が定めたもの以外は許可されない。
これは支給品ではなく「指定用品」の場合かな?今まで出た大会でスイムキャップが支給されなかった大会はなかったです。
4 選手はいかなる場合でもスイムキャップを変更することはできない。
5 公式スイムキャップの無着用、または公式スイムキャップの変造は、失格を含むペナルティの対象とする。
おお、厳しいですね。忘れたりスタート前に破れたりしても、必ず受付などに予備があるはずですから貰ってください。自己判断で持ってきたキャップでスタートしてはいけません。
6 選手は、ウェットスーツ禁止の場合は、承認されたトライスーツを着用しなければならない。選手が複数のトライスーツ着用を選択した場合、いずれも規定に準じていなければならない。また、外側のトライスーツは、ユニフォーム規則に準じていなければならず、競技中の全般にわたり脱ぐことはできない。ただし、ミドル及びロングディスタンス大会を除く。
ここはITUとか選手権とか何も指定がないのだけど、一般のエイジの大会でもそうなのかな?一般のエイジの大会でウェットスーツ禁止になることはありえないか??
「複数のトライスーツ」は、トライスーツ+スイムスキン、のパターンかな。ショートの大会だと、スイムスキンを着たらだとそれでゴールまで走らないといけないのか(笑)
ちなみに2016年のロング世界選手権はウェット禁止になりましたが、現地でスイムスキンを着ていいかどうかが各国の対応が分かれて混乱があったと聞きました。選手は不公平感を感じたようですから、ここは一致させて欲しいなあ。
7トライスーツには、いかなるネオプレーン(合成ゴム)の部分があってはならない。
おお!これはどこのメーカーでも考えそうな案だけど、だめなのね(笑)
8 ウェットスーツ着用禁止のときは、肩よりも下の腕の部分や膝下の脚部を衣服で覆うことを禁止する。
ウェット禁止になった場合は、スタート時点からアームカバーやカーフガードをしてはいけない。
9 プリントロゴは認められたスペースのみに配置することができる。
詳細はここ。スポンサーロゴエリアが決まっています。
https://www.triathlon.org/about/downloads/category/uniform_rules
まあ我らが関係するとすれば世界選手権だけど、指定のウェアを買うから関係ないかな。もしどうしても個人でスポンサーロゴを貼りたいって場合は、これに抵触しなければ足せるのだと思います。
(使用禁止用品)
第57条 スイムでは、次に掲げる用品の使用を禁止する。
(1)足ヒレ又はパドルなど推進を補助する効果が得られる用具
デッカイフィンとかはさすがに使う人いないでしょうけど、どこかのブログで透明のパドルを使っている人を指摘したって記事を読んだな~。禁止行為です。
(2)浮力を得られる用品
緊急用のバッグは別でしょうね。Co2で膨らませるやつ。まあ浮力を得るってほどでもないしむしろ抵抗になるだろうしな。でも、装着する人もいるので明記しておいた方がいい気がします。
(3)グラブ、ソックス、シュノーケル及びガラス製品
あ、靴下だめなんだ!知りませんでした。
(以下4-8追加)
(4)保護のための耳栓を除き耳の中に挿入又は耳全体をカバーするヘッドホン、ヘッドセット、イヤホン
審判やライフセイバーの指示が聞こえなくなるから、でしょうね。
(5)他の選手や自身を傷つけると思われる宝石(選手はそれらを取り外す様要求される場合がある)
お~、石の付いた指輪を普段している人は注意ですね。
私、結婚指輪は無くすといやなのでスイム練習中も大会中も外さないのですが、装飾が凹凸のやつは外した方がいいだろうなと思います。
(6)禁止時にウェットスーツを着用、ウェットスーツの一部を利用すること
ウェット禁止の場合は浮力水着とかもだめってことですね。
(7)承認されていないスイムスーツ
(8)レースナンバー(ウェットスーツ禁止スイムの場合)
ウェット禁止スイムの場合、と書いているので、「ウェットの中にレースナンバーを着用しても構わない」と読み取れますね。これ、大阪城の受付で結構聞かれました。
ちなみに私は今は着用せずにバイクトランジションに置いておく派です。ウェット脱ぐときに破れたら困るので。
(ウェットスーツの着用)
第58条 ウェットスーツは安全のために有効であり、着用を推奨する。ただし、別に指定がある場合はこれによる。
2 低水温や不安定な環境が予想されるときは、ウェットスーツの着用を義務付けることがある。この場合においては、競技開始前に公式掲示板等により通知される。
競技規則としては、「着用推奨」なんですね。
あとは大会ごとのローカルルールで「着用義務」となったりします。
(ウェットスーツ着用基準)
第59条ウェットスーツの着用基準は次のとおりとする。
エリート、U23、ジュニアとユース選手
スイムの距離 |
禁止 |
必須 |
1500m以下 |
20℃以上 |
15.9℃以下 |
1501m以上 |
22℃以上 |
15.9℃以下 |
着用必須の場合、少なくともウェットスーツは胴体を覆っていること。
エイジグループ
スイムの距離 |
禁止 |
必須 |
1500m以下 |
22℃以上 |
15.9℃以下 |
1501m以上 |
24.6℃以上 |
15.9℃以下 |
あれ?これ、水温?気温?明記されてないですね。
だいたいスーパー銭湯の水風呂が17℃くらいです。20℃あると物足りない感じ。
GWあたりに海練習をすると18℃くらいでウェットなしでは耐えられない感じですが、泳いでいると適温に感じてきます。
入った瞬間に「ぬるい!」と感じた2018年五島トライアスロン(6月中旬)の水温は「23.5℃」でした。ショートだと禁止になる水温です。
7月8月の大会は「ウェット禁止水温」になることも少なくないと思いますが、初心者がいることを考えると「水温が高いからウェット禁止にします」という判断はしにくいだろうなあ。
・入水直前までウェットスーツを着ないこと
・着たら入水直前まで冷たい水をかけて身体を冷やすこと
・真夏の大会ではできるだけロングジョンを選択すること
くらいですかね。対策は。
理想は全ての選手がウェットスーツを着なくても海で泳げるように練習しておきたいところですが、こればっかりは海での練習機会を増やさないといけないし、一人ではできない練習なのでなかなか難しいだろうなと思います。
2 水中に留まる最長時間
エイジだと、スプリントは30分まで、ショートは70分まで、ですね。これを超えないように各大会スイム制限時間が設けられているのでしょう。まあだいたいスプリント30分ショート50分ではないかな?
3 距離修正
(1) スイム距離は次の表により短縮または中止とすることがある。
ここでは水温と明記されてますね。さっきのも水温だったのでしょうね。
12℃を下回る場合はスイムは中止。32℃以上になる場合もスイムは中止。どちらも日本の大会では考えにくいかな~?
猛暑の今年2018年7月31日11時のデータ。沖縄がやっと30℃を超えるくらいですね。
ただ、プールを使う大会だと32℃はあるかもしれないなあ。まあ、プールだと水温はコントロールできるので対策も可能でしょうが。
暑くて750mに距離短縮、ってのは今年すでにこの対策が取られた大会がありましたね。(水温31℃以上だったかは定かではない)
確認:上記の温度は、必ずしも最終決定に使用される水温ではない。水温が22℃未満、気温が15℃未満である場合、次表に従って、実際の水温の修正を行う。
低いケースのみですね。まあ、気温一桁でトライアスロンは無理ですね(^^;
(2)強風、大雨、温度変化、潮流など気象条件により、技術代表とメディカルデリゲートは、スイム距離やウェットスーツの使用可否を決定する。技術代表は、最終決定をスタート1時間前に行い、選手に明確に伝えなければならない
スタート1時間前なんだ!
初宮古島のスイム中止はそれ以降だった気がするなあ。そりゃ、初めての中止だったもんな。
これは「変更はありません」ってことも1時間前に発表しないといけないのかな?
(3)アクアスロン(一般的にはラン-スイム-ラン)の場合、LOCは水温が22℃より低いと思われる場所ではスイム-ランの計画にすべきだ。ラン-スイム-ランのアクアスロンを予定している大会で、大会当日の気温が22℃を下回る場合、予定をスイム-ランに変更する。
突然の「である」調から「だ」への変更にちょっと驚くw 複数の方で作ってるのかな。
突然出てくる「LOC」にも驚くw そして1文目2文目は同じことが書いてありますね(^^;
(4)水温は大会のスタート1時間前に計測する。計測地点はスイムコースの中間点と他の2カ所で、水深は60 cmとする。最も低い測定温度を公式水温とする。
本部の前に黒板おいて「気温○℃、水温○℃」って表示してますね。中間地点を計るために沖に出てるんだなぁ。
(ウェットスーツの形状)
第60条 ウェットスーツの着用が義務付けられている大会及び着用することができる大会においては、次の各号に掲げる条件を満たす形状のものを使用するものとする。
(1)身体によく合ったサイズであるもの。
きついウェットスーツは本当に危険。陸上できつかったら水中ではもっときついです(水圧)。
買った年が一番余裕があり、そこからゴム内の気泡が潰れて数%縮むそうです。3年まで縮み続けて、そこで止まる、と聞きました。なので、体型が同じだとすると、買った年と3年後では確実に着用感が違うはず。
理想は2~3年毎にオーダー。でも費用面でそうはいかない人がほとんどですよね。
少なくとも「試着しないで買わない」は絶対かな。私も今年2枚ネット通販で安いのを買ってみましたが全くだめでした。物は問題ないけど、肩幅が全然合わなかった。
(2)手首及び足首より先を覆わないもの。
(3)下半身のみを覆う形状でないもの。
ボトムだけではだめってことね。少なくともロングジョンタイプで胴を覆わないといけない。
(4)厚さが5mmを超えないもの(各部の厚さはこの範囲内であれば制限を設けない。)
ウェットスーツが2ピースの場合、重なる部分の厚さも5mmの制限を超えてはならない。
これ、2017年修正版からの適用ですが、ツーピースタイプのウェットはまずこのルールに抵触していると思います。私の使っている某有名ウェットメーカーのツーピースは、重なる部分も5㎜で作ってあるので、単純に重ねると10mmありますね。
大会に出る時は、それを使用していいか大会に問い合わせることにします。
(5)表面に推進力又は浮力を向上させるような加工が施されていないもの。
(6)内部に浮力を向上させるものが入っていないもの。
ウェットスーツの内部にエアーバッグが取り付けられていたら浮くかなあ?まあ、ウェットスーツだけでも十分に浮くので、抵抗になるだけかな。
2 頭部を覆うヘッドキャップは、前項の条件を満たすもののみ使用できる。
水温が低い時に保温目的で被るやつですかね。
数年前にどこかのアイアンマンでみんなかぶってたなあ。みんなしてミニオンズみたいになってたw
(ITUワールドカップ及び世界選手権におけるウェットスーツ)
第61条 ITUワールドカップ及び世界選手権エリート部門、U23部門、ジュニア部門におけるウェットスーツは、別に定めがあるもののほか、次の各号によるものとする。
ここはワールドカップのままでいいのかな~?ワールドシリーズができて、「ITU大会」というような表記になっているところがあるので、ここもいずれ修正されるかも。
(1)事前にITUから許可を得たモデルであること。
(2)正面及び背面に表記できるロゴ等は製造者のもののみとし、それぞれ面積80cm2以内であることとする。
エリート(他)の場合はロゴは勝手に追加できないようです。メーカーのみ。
(3)前号の規定はウェットスーツの外側及び内側とも適用される。
(4)複数の製造者のロゴ等を組み合わせて表記する場合、その面積の合計80cm2を超えてはならない。
複数の製造者のロゴ???「HUUBとSPEEDのコラボ商品」とか??(^^;OEMの場合かな。
(5)側面にロゴ等を表記する場合においてその面積は、正面又は背面に表記できるロゴ等の面積80cm2以内に加算されるものとする。
(日本選手権等におけるウェットスーツへの表示)
第62条 日本選手権及び世界若しくはアジア選手権選考大会におけるウェットスーツへの表記は、前条の規定を準用する。
(スタート手順)(以下全部追加)
第63条 スタート位置選択(エリート/U23/ジュニア/ユース選手)
(1)競技説明会後に遅延スタートのための再割り当てがない限り選手は、そのスタート番号順に整列する。
(2)選手はポンツーンに入ったら、選択した番号に直接進み、スタート手順が始まるまで、プレスタートラインの後ろで待機する。選択した位置は、スタート位置選択過程の間に変えることはできない。選手は、複数のスタート位置を占めることはできない。
(3)スタートライン審判は、各選手のレースナンバーと選択した場所を記録する。
(4)すべての選手がスタート位置についたらスタート位置選択は終了する。
レースナンバー若い順にスタート位置の選択権があり、空いている好きな場所からスタートできる。一度選択したら変えられないので、後ろの方の選手は進みながら瞬時にどこが空いててどこが有利かを判断しないといけないってことになりますね。
ちなみに大阪城第1回エリートはポンツーンじゃなかったので、待機場所に番号が振ってあってそこに並んでました。で、その並んだ順に入水して、マーキングされているロープをガイドとして実際のスタート位置が決まっていたようです。
2 スタート手順(エリート/U23/ジュニア/ユース選手)
(1)すべての選手が適切に位置についたことがスタートライン審判によって確認され記録された後に、「オン・ユア・マークス!」の発声があり、選手はスタートラインに前進する(ラインを踏まない)
(2)この発声の後にスタート合図としてホーンが鳴らされ、選手は入水するまで第一ブイの方向へまっすぐに進み競技を開始する
「オン・ユア・マークス」からホーンって、すぐですよね!!!一呼吸あるイメージだったので、実際を見るとほとんど間がないのでびっくりしたのを覚えています。(実際カナダでも若干出遅れたw)
(3)スタート手順を担当する審判は以下の通り
①2名のスタート審判が、選手の後ろのスタートエリア中間地点に、隣同士に立つ。
・第一スタート審判は『オン・ユア・マークス』という責任をもつ。
・第二スタート審判はスタートの合図をする責任をもつ。
②2名の不正スタート管理審判は、スタートがはっきり見えるスタートエリアの両サイドに立つ。
・エアホーンが不正スタート合図として使用される。(短く繰り返し鳴らす)
・写真/ビデオカメラは早くスタートしたことを証明するために使用する。
(4)不正スタート:不正スタート(スタート合図の前に数名の選手が前に動く)の場合、選手は自分が選択した位置に戻らなければならない。この場合において、スタートライン審判がコントロールし、スタート手順を再度行う。
(5)不正スタートした選手がいても有効スタートとみなされる場合:僅かな選手が不正スタートした場合は、レースが続行可能であり、審判長がスタートを有効であると決定することができる。不正スタートをした選手は、第1トランジションでレースの距離に応じたタイムペナルティ(スプリントディスタンスで10秒、スタンダードディスタンスで15秒、ミドル及びロングディスタンスで30秒)を受ける。リレーイベントでは、チームの最初の選手がタイムペナルティを受けなければならない。
(6)同様の手順は、他のマルチスポーツ競技大会で、スイムからランに代わった場合のスタートでも適用される。
僅かな数(1人や2人かな)のフライングはレース続行(と審判長が決定)、フライングした選手はT1でタイムペナルティ。フライングが多ければやりなおし。
3 スタート手順(エイジグループ/パラトライアスロン選手)
(1)選手は競技クラス・スタートウェーブごとにプレ招集所に集まる。
(2)選手はスタートエリアでレースナンバー(または名前)が呼ばれ、審判の指示に従ってスタート位置につく。
(3)全ての選手がスタート位置についたのち、『オン・ユア・マークス!』と言う。
(4)言った後に、スタートの合図としてホーンを鳴らされ選手は競技をスタートする。
(5)不正スタート:不正スタート(スタート合図の前に、数名の選手が前に動く)の場合、選手は自分が選択した位置に戻らなければならない。この場合、スタートライン審判がコントロールし、スタート手順を再度行う。
(6)フライングした選手がいても有効スタートとみなされる場合:僅かな選手がフライングした場合は、レースが続行可能で、不正管理スタート審判が、スタートを有効であると決定できる。フライングした選手は、第1トランジションでレースの距離に応じたタイムペナルティを受ける。
(7)同様の手順は、他のマルチスポーツ競技大会で、スイムがランに代わった場合のスタートでも適用される。
エイジもエリート(他)と一緒。
僅かな数のフライングはレース続行、フライングした選手はT1でタイムペナルティ。フライングが多ければやりなおし。
でも実際はエイジではどちらも難しいでしょうね。フライング選手のレースナンバーを特定することができない(エリートはスタート位置から判別できる)し、大勢が出てしまっても「やりなおしー!」と伝えることが難しい。
(実際、数年前の舞洲でかなり大勢のフライングがありましたが続行されました。ホーンが2度鳴ったんです)
(8)自分の割り当てられたウェーブよりも早い全てのウェーブで競技開始した選手は失格とされる。
ウェーブでキャップの色が変えられているのでそんなことはないと思いますけど、ウェーブ間が1分2分しかない場合は後方待機になるので間違えてスタートしちゃうってケースはあると思います。これはさすがに特定すべく水上スタッフでナンバーを確認するんじゃないかな。即失格の違反なので、間違えてスタートしないように冷静に待ちましょう(^^)
(9)自分の割り当てられたウェーブに遅れた選手はスタート審判からスタート許可をもらう必要がある。但し、競技開始時刻は本来のウェーブの開始時刻とする。
おお!そんなケースもあるのか!まあでも、フローティングが怖くて陸上で待ってますって選手も多いしなあ。それ以上でたとえば10分20分遅れても許可が出ればスタートできるのかな?スイム制限時間に間に合いそうなら許可がでる可能性はあるか。
スタート審判のケーススタディとしてどこかにまとまってたらいいですね。
4 スタート手順(インターバルスタートシステム)
以下「インターバルスタート」についての記述ですが、インターバルスタートそのものについての解説が規則内にどこにもないのですね~。5秒とかの短い間隔でウェーブスタートする方式のようです。検索してみましたが、パラトライアスロンで採用されているケースがあるようでした。
(1)選手は時間通りにスタートラインに立つ責任がある。
(2)ビデオカメラは全てのスタートを記録するために使用される。
(3)スタート審判は自分の時計をタイムキーパーの時計の時刻と合わせなければならない。
(4)スタート審判は全ての選手に対して正しい時刻にスタートできる機会をあたえなければならない。スタート違反の詳細を記録する補助審判はスターターの近くに位置しなければならない。審議委員が選手のスタート遅延が不可抗力かどうか決定するために、選手の実際のスタート時刻は電動及び手動計時され記録されなければならない。
(5)選手は審判の指示に基づき、スタートエリアに召集され、スタート位置をとる。
(6)スタート時間10分前に、全ての選手はスタートエリアで準備している。
(7)スタート時間5分前に、選手はスタートエリアで自身のポジションを選ぶように指示される。
(8)スタート時間1分前に、選手は水中に入り、スタートラインに近づくように指示される。
(9)全ての選手がスタートポジションについたら、『スタート手順』が開始され、『オン・ユア・マークス!』と言う。
(10)スタートの合図(ホーン音)がウェーブの正確なスタート時刻に鳴らされる。
(11)『有効なスタート』において『早くスタートした』選手は、スタートラインに戻されない。
(12)早くスタートした選手はトランジション1でタイムペナルティを受ける。
(13)『スタート手順』の開始前にスタート又は、割り当てられたウェーブより先にスタートした選手は失格になる。
(14)割り当てられたウェーブより後にスタートする選手は、スタート審判にスタートするための承認を得なければならない。
(15)選手のスタート時刻は自分が割り当てられたウェーブのスタート時刻であり、その選手のスタート時刻の調整は認められない。
5 スタート手順(ローリングスタートシステム)
以下「ローリングスタート」についての記述ですが、こちらも「ローリングスタート」そのものの解説が規則内に見つかりませんでした。
モータースポーツや自転車競技などにおいては、「ローリングスタート」はゆっくりスタートして走行状態からリアルスタートに移行するスタート方法を指しますが、これと同等と思っていいのでしょうか。
スタート直後のバトルを避けるためにゆっくりスタートさせ、泳ぎながらリアルスタートの合図を聞いて本気の泳ぎに変える、と。うーん、合図が聞こえるのか??
エイジ、ロング向き、ロングじゃない場合はスタート場所が狭いケースなどで採用とありますが、採用している大会があるから更新されているのでしょうね。ご存知の方いらっしゃれば教えて下さると助かります。
(1)このスタート方式は、大人数が参加するロングディスタンス競技において適切である。ロングディスタンスでなくとも、ドラフティング禁止競技や選手が安全にスイムを開始できるための十分な空間がないスタート状況においてもこの方式を採用できる。
(2)この方式はエイジグループにおいてのみ適用することができる。
(3)大人数のスタートではない。
(4)スタート審判はいつでもスタート手順を中断することができる。
(5)スタート審判はスタートの突発的事由に対応して、いかなる選手のスタート時刻も決定できる。
(6)もし選手に複数のスタート時刻が記録された場合、最も早い時刻のものが有効とされる。
(7)選手が割り当てられたウェーブよりも早いウェーブでスタートした選手は、失格になる。
(8)割り当てられたウェーブに遅れた選手は、スタート審判に承認を得る必要がある。選手のスタート時間は、元々割り当てられた選手のスタート時刻となる。
以上、スイムについてでした。
エイジの選手が把握しておかないといけないものを抽出してまとめると、
・泳ぎ方はどの泳法でもいい
・コースロープにつかまってもいいけど、コースロープを引っ張って進むのはルール違反
・必ず支給されたキャップを被って出場すること
・パドルやフィンを着けて出るのは禁止
・ウェットスーツは5㎜まで(重なるとこも5㎜まで)
あたりかな。
関係なさそうなことの中に関係あることがちょこちょこ埋まっている、ってのが規則や法律の読みにくいとこですよね(^^;
最後にこうしてポイントだけ抽出するようにしよう(これまでのもやっときます)。
次はトランジションです。
- 関連記事
-
-
トライアスロン競技規則を読み解く(8-1)バイク(1)
-
トライアスロン競技規則を読み説く(7)トランジション
-
トライアスロン競技規則を読み解く(6)スイム
-
トライアスロン競技規則を読み解く(5)競技共通事項
-
トライアスロン競技規則を読み解く(4)
-