宮古島トライアスロン参戦記録【レース編3】

いざバイクパートスタート。

バイクのコースは、宮古島を1周と3分の一ほど回る155km。

miyako-map.jpg

(A)スタートから池間島まで北上する約30km、
(B)池間島折り返しから東平安名崎まで南東へ約40km、
(C)東平安名崎折り返しからスタート地点付近までの約30km

この三角形で100km。
さらに2周目、Aを丸々全部とBを半分ほど走って55km。


過去の大会の多くが南風で、
A区間が追い風で調子よく走れ、
B区間になって向かい風で苦しめられる、というパターンらしい。

ところが今年は逆の北風。
追い風区間が40kmと長いのはありがたいが、
最初の30kmが丸々2回向かい風となり、
2周で計60km苦しめられることになる。

しかもただの風ではない、
直前の発表では風速7.5mと言っていた。
普通なら自転車に乗ろうとすら思わない風である。
宮古島は風が強いと聞いて、普段から風の強い堺浜で練習してきたが
それでも風速5mを超える中で長時間乗ったことはなかった。


スタートすぐから強い向い風。
木が根元からしなるほどの風が、前から、時に横から襲ってくる。

ハンドルを取られそうになる上、
バイクスタート時間もそうばらけておらず
前後左右2-3メートルにバイクがいるというダンゴ状態。
少しの油断が大クラッシュを招きかねないという緊張状態であった。


速度は23~25km/h程度。
高そうなTTバイクやエアロヘルメットの人ですら並走していたし
私が極端に遅いと言う訳でもなかった。

強い向い風に、少しでも抵抗を減らすべくDHバーを持ちたいが
いつ横風に煽られるとも知れず、
ブラケットを持ち必死に身体を支えるのがやっとの状態だった。


やっと10kmのラップをガーミンが知らせてくれる。
補給しなければ。

ところが、前から横から強い風が吹き身体が揺れる中、
怖くてなかなか片手をハンドルから離すことができない。
数秒離して補給食袋を開けて戻し、
また数秒離して補給食を取り出し、持ったままハンドルを握り直す。
また数秒離してキャップを空け、
一口吸っては戻し、一口吸っては戻し、と緊張の補給。

すぐにハンドルはワンセコンドジェルでベタベタになった。
補給の間はスピードを維持できないのでたくさんのバイクに抜かれる。
それでも安全に進むのが一番、と慎重に進んだ。


途中落車もあったようで、タンカに横たわる人が目に入った。
強い横風にハンドルを大きくとられ、1mほど真横に動いたことも何度も。
ただ向い風で苦しいだけではなく、
恐怖で精神力を削られる20kmであった。


池間島に渡る橋にさしかかると、風はさらに突風になった。
橋の上は道幅も狭く、さらに折り返し区間であるので
センターラインからはみ出すこともできない。
バイクが2台並ぶのがやっとの幅で、
時速15kmの大渋滞が起こっていた。

時折強く吹く横風に接触を恐れ、
ただただ前の人と同じ速度で進むしかない状況。
景色が最高に美しい場所であるにもかかわらず、
少しもよそ見することができず、車間に集中して進むしかできない。
登り数キロ、とにかく怖かった。


池間島に渡り少しのアップダウンの後、
待ちに待った追い風がやってきた。
思わず、きたーー!!!と声をあげてしまう。
バイク開始から約30㎞、ようやく、フロントをアウターに入れた。

ここまでの平均時速が23km/h程度しか出ていなかったので
ここは頑張って回復しなければいけない。
グイグイ踏めば35㎞/hくらいは出たが、
まだ1周目、先は長いので無理せず32km/hくらいをキープ。
このまま行けば、なんとか東平安名崎までに
アベレージ26-27km/hくらいまで回復できるだろうと思っていた。

さっきまでの辛く苦しい時間が嘘のように、
風に背中を押されながら快適に進む。
今日初めての楽しさを感じた。


しかしそれも束の間、横風に煽られハンドルが大きく取られる。
追い風になっても時折吹く横風は変わらない。
走っている時はいいが、補給の時などはやはり気が抜けなかった。

追い風区間に入りバイク間隔も広がっていたため
やっとDHバーを持てるようにもなってきたが、
たまにくるアップダウンでシフトチェンジをするため持ち変えるのも
風が強く緊張が走る。
空気抵抗を弱めるよりも、安全に身体を支えようと、
結局ほとんどの時間ブラケットを持っていた。


見る見るうちにアベレージが上がって行くが、気になるのは制限時間。
1stランの分バイクスタートが遅れているので、
事前にシュミレーションしていた「完走パターン」の時間とほぼ合致。
ということは、100km地点まではアベレージ25km/hでギリギリのはず。

ガーミンは25.4km/hくらいを表示していた。
かなり焦りを感じ、少し重めのギアにしてガンガン踏んだ。
そのおかげで、東平安名崎に入るまでに、
なんとか26km/hまで回復していた。


今日2本目の橋、東平安名崎にさしかかる。
まさに絶景。
思わず「うわーーーー綺麗!!!!」と声を上げた。

それが聞こえたのか、折り返してきてすれ違う人が苦笑いしたように見えた。
その表情は辛く苦しそう。
あ、そっちは向い風なのね(笑)瞬時に気付き、こちらも苦笑い。

数分後、しっかり同じ苦しみを味わった(笑)
まるで押し戻されそうな向かい風だった。
先ほど26km/hを示していたアベレージが、また25.9、25.8と下がり始めた。

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さあ、ここから三角形の底辺、
スタート地点までの西向き約30km。

ここからは細かなアップダウンが続き、
10%近くの勾配の坂もあるという。

できるだけ下りで勢いを付けて登りをやり過ごすが、
それでも全部は登り切れず、速度がガタっと落ちる、
登りで上がった心拍を落ちつけるのに時間がかかって
次の登りまでにスピードを上げきれなかったりと、

このアップダウン区間を終わる頃には、
アベレージは25.4km/hほどにまで落ち込んでいた。


これは、まずい。

100kmの関門時間を、補給食袋の中に入れているメモで確認したいが、
相変わらず強風は続いていてその余裕がない。
まさか本当に関門時間に追われるような状況になるとは思わず
すぐに見られるようにしておかなかったのは油断としか言いようがないと
後悔と反省をしながら走っていた。


3つ目の橋、来間島の橋にさしかかる。
またもや突風に煽られたり、強い向い風に苦しめられたりと、
観光スポットを楽しむ余裕は微塵もなかった。


無事、100kmを通過。
スペシャルドリンクを受け取る。


でも本当に苦しいのは、ここからだった。

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コメント

予想していない事ばかりでしたね。流石に自分も宮古島でのデュアスロンは想定外でした。
下手なドラマや小説よりも面白い。
苦しみが感動に変わった続編も期待してます。
実は・・・
大変お疲れ様でした!
地元選手にとってもあれは強風でした。
池間島の突風、味わいましたか?
あれ風速14mだったそうですよ。(気象台勤務の選手情報)
風速7.6mの公式発表はあくまでも市街地にある気象台での観測で
沿岸のコースはゆうに10m近くあったはずです。
普段の練習で風速8mぐらいまでは体験してましたが
あれはすごかった。宮古の風を堪能してもらえて何よりです(;・∀・)

これに懲りずにまた来年も来て下さいね。
記念大会だから、選手への参加賞や完走グッズが期待出来ますよ~♪
風がすごいと安全が先ですね
沿岸部の風って、慣れてないとホント怖いよね。
内陸部では想像もつかないような突風が瞬間に来るから。

僕は以前、一度だけアワイチに行ったことがあるんですが
ちょうどその日がすっごい風の強い日でした。
一緒に行った友人は、何回かアワイチ来てるんだけど
「こんなん初めて」って言ってました。

追い風、向かい風ってより、瞬間の横風が一番怖い。
身体ごとバイクが2〜3㎝横移動したくらい(>_<)
「今、車来てたらヤバかったな〜」みたいな。

そんなことを思い出しましたよ。
ブラケット手放せないってのも想定しないとね…勉強になります。
>いわっさんさん
まさかでしたよ!!(笑)
あたしのあの詳細なシミュレーション台無しですよ!(笑)

まあでもあれをやっておいたおかげで完走できたわけですが。。。

いやぁ~我ながらドラマティックな1日でした。
見ていて下さった方はヒヤヒヤしたでしょうねえ~~。
意図せず面白いブログになってしまいました(笑)
いや、ある意味「持ってる」なと(笑)
>ゆぃさん
大変大変お疲れ様でした!!!
そしてとってもとってもお世話になりました!!!
ありがとうございました!!!!

風速14めーとるwwwwww
それ大阪だと人っこ一人外出しないレベルwww
ひじょーーーーーーに貴重な経験をしました。
自分が強いところも弱いところも分かったし、
これ以上ないドMな初ロングとなり
結果的にはおもしろかったので大満足です(笑)

懲りるなんてとんでもなーーい!
十分魅せられてしまいましたよ!!!
もちろん来年も申し込みます!(旦那には内緒でw)

幸運にも当選できたら、また一緒にご飯させてくださいね。
今度は飲みにも(^^)

本当にありがとうございました!!
>まやさん
いやほんっと怖かったですよ。
一番怖かったのは1周目の30キロまでかな。
とにかくダンゴ状態ですぐ横にバイクいるし、
それでもマーシャルは頻繁にチェックにくるんで
少しでもずらしてドラフティング取られないように気を付けないといけないし。
補給で片手を離すのもめちゃくちゃ怖かった。

ドリンクもDHポジションで飲みやすい高さにしてあるので
アップライトポジションだと遠いんですよ。
だから前を気にしながらも頑張って腕立て伏せして頭を下げて飲む感じ。
それでも片手を離してボトル取るよりは全然安全に飲めました。

補給はパワーバーのドロドロはまともに飲めず。
胃がどうこうじゃなく、飲んでる時間がない(笑)手が離せない(笑)
ワンセコンドはばっちりでした。

これから思い出してしっかり反省文書いて行くね(笑)

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